「せっかくだし、何に乾杯する?」

「う~ん…。そうですね。…ありがとう、かな。」

「…なにそれ、誰に?」

「……う~ん。誰かさんに…。」

「ふ~ん。誰かさんね~。…教えてくれないの?」

「…秘密で。」

「ふ~ん。」

クスリと笑う妻。

「素直じゃないね。」

「お互いさまでしょ?」

「そうかな?」