「夕日、…綺麗だね。」

二人で並んで夕日を眺める。

このなんとも言えない、空気に耐えきれなくなった俺は…、

「…ごめん……。」

と、一言。

「……もっと早く謝ってほしかった…。」

「……。」

「そしたら…
そしたら、もっと早く許してあげることができたかもしれないのに…。」

「……。」

「女ってね…けっこう怖いんだよ。」

「……。」

妻は急に吹き出した。

「なんて顔してるの。」

訳が分からず、妻を見ると笑いをこらえるのに必死になっている。

「怖かった?なかなかのもんだったでしょ?」

「……。」

すると、妻は俺の両頬を思いっきりつねってきた。

!!?

あまりの痛さに声がもれる。

「今さら謝るくらいならはじめからしないで。次はないからね。」

と、頬から手が離れた。

俺は頬を押さえながら妻の顔を見る。

「これで、許してあげる。」

「……。」