「宇津見くん、大丈夫?」


と周りの女の子が
俺の様子に気づく。




「平気!!ありがとな」





心配をかけないように
いつもの笑顔で答えた。




でも今日の笑顔は









たぶん作り笑い。












そして美音が
教室に戻ってきた。



「尚……?」



愛しい声で俺の名前を
呼ぶものだから
振り向きそうになった。



けど



ぷいっっ






俺は無視した。








今、美音を見たら
泣きそうになりそうだから。






すると周りにいた女の子が
美音に話す。








「宇津見くんに
嫌われてるんだから、
近づかないで」








違うっ


嫌ってなんかいない。


すげー好きなんだ。






「ねー?」と
女の子が俺に言うものだから
俺は
さっきのお返しに言ってやった。



「あぁ。俺は嫌い」









どうだ!






そう思いながら
美音を見た。




きっと言い返してくると
思ったから……