「もう会うのはやめにしよう」
私は22歳。
6歳年下の、彼は16歳で高校生。
彼はちらりと私を見た。
「おしまいにしようと思うの」
私がどれだけ破滅の言葉を紡いでも
彼は何も言わなかった。
初めから。
「どうして」と、彼が聞かないであろうことは分かっていた。
彼は高校生だけど、
それよりずっと大人で。
どこかで気持ちを割り切っているし
冷めている。
このあいだだって、
「ねえ、雛子さん」と
挑発的に見上げてきたかと思うと
「寂しいね」なんて言って
わけを聞いたら
「だって体を何度繋げてもさ、心は絶対に共有出来ないんだよ」
……そんなの。当然だ。
そうしたいものこそ、
そうはいかない。
彼はそれを知っていて、認めている。
私は知っていたけど
認めてなんかいなかった。
決して埋まらない距離を、少しでも縮めれば、それは……それは。
今冷静に考えれば、彼が一番正しい。
だって一体なんだって言うのだろう?
何になるって言うのだろう。
分からないから捨ててしまおうとしているのかもしれない。



