「?」 着信は、兄からのメールだった。 件名はない。 本文もない。無言メールだ。 詩織が立ち止まり振り返ると、さっき詩織がしゃがみこんでいた場所にまだ立っている、兄。 「先週撮った写メ。見てみ?」 詩織が着信に気づいたことを見届けてから、笑顔で歩いてくる。 言われてやっと、添付画像の存在に気づく。 その画像を開いた、詩織が思わず声を上げた。 「あ」