「"カサブランカ"って言うんだ。
すげー綺麗で、いい花だろ?
純粋なところが南に合う」
「…単純って言いたいの?」
「ぶはっ。ハハハッ!」
お腹を抱えて笑いだす。
え、ちょ、
ひどくない?
「って…話逸らさすなよ…。
でな、カサブランカは
12月21日…つまり今日の
誕生花なんだ」
だから、私にコレを…。
「それと!花言葉が…さ、
"雄大な愛"」
言った光汰も言われた私も
まっかっかになる。
う、嬉しいけど!
めちゃくちゃ照れる…。
私は花束を抱え、
涙がまた溢れそうなのを堪え
精一杯の笑顔を送った。
「ありがと…ね!
それと…私も、
愛してる」
彼は笑って、私の唇に
自分の唇を重ね合わせる。
2人の間に挟まれた白い花は、
まるで私たちのことを
見守っているようだった。
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