「寝ぼけてるだけであんな大胆になれるんだな」


「えっ!?」


う、うそっなになに!?

あた、あたしなにしたの!


必死で頭を巡らせるけれど、まるで記憶にない。

お風呂から出て、先輩に抱きかかえられて髪の毛を拭いてもらって……眠くなって…っていうその辺りまでしか。

ただなんか、幸せな気分だった…気がする。


「あの……あたしなにか…」


「……」


体を隠し隠し、ゆっくり起き上がりながら問う。

それに対し先輩は、しれっとそっぽを向いて答えとした。

それが余計に気になるよ…!!


「どーでもいいけど、今日兄貴帰ってくんだろ?」


「…あ! そうだ…何時頃帰って来るのかな?」


ずっと先輩といたかったのにな…。

昨日すぐ寝ちゃったせいでなんか…なんか…。


「まあいいコトできたし」


「いっ……!?」


なんてことをさらっと!


伸びをしてベッドから出て、置いてあったワイシャツを羽織った先輩を追い出し、赤い顔のまま着替えをした。