……今まで色んなことがあった。

これからだって、きっといろいろあるだろう。


でも。


背を向けるよりは向き合おう。

下を見るよりは前を見よう。

目をそらすよりは手を差しのべよう。


そしてできるなら……。






先輩と同じ“先”を、見ていよう。



「好きだよ。先輩」


もう一度、今度は目を見てそう言った。


「……ふっ」


ニッと笑うと、あたしのほっぺに手を添えて。


「離してやんねぇから」


そう言うと、静かに、唇を重ねた。





いつもいつも先輩は――


あたしをドキドキさせるばかりなの。





END*