――あれから数週間。

聞きたくなかった先輩の決意を聞いてから、数週間が経った。


夏休みもすっかり終わり、明日は始業式。

先輩とは以降あの話をしていない。


「……ハァ」


その代わりといっちゃなんだけど、ため息をつくことが増えた様な気がする。


…分かってるんだ。

仕方ない…ってこと。


しょうがないよね、遠いんだから…。

でも、でも…。

卒業しちゃうだけじゃなくて、引越しもしちゃうなんて。

会えなく……なるんだよね。


でも…。

でもY大の推薦受けられるのはすごいよね。

あのサボり魔が推薦で行けるかもなんて!

喜ばなくっちゃ……。


「……」


なんか…。

卒業しちゃうっていうのもなんか実感わかないのに、まして遠くに行くっていわれても…イマイチぴんとこない。

でも会えないと思うとすごくすごく寂しい。


それに心配だよ。

今度は千絵さんもあたしもいないから、またご飯食べないんじゃないの?

面倒だからって言って…朝も、昼も。

もし体でも壊したら…。