そこからは、杏子と一緒に学校まで行った。


「じゃあ…そのまんま先輩のとこへ逢引しちゃったわけっ?」


「あ、あいびきって…」


昨日の出来事を事細かに報告すると、その一言で片付けられる。


「またえらく思い切ったことしたのねぇ」


「だ、だって…。会いたかったんだ…もん……」


自分で言っていてなんだかものすごく恥ずかしくなった。

語尾を自然と弱め、徐々に赤くなる顔を隠すように俯いた。


「はーいはい。そろそろ夏だもんねーあっついわあ」


にやつきながら、わざとらしく手で仰ぐ。


「…ま、まだ涼しいもん」


六月で梅雨時だから、時々じめっとしてるけどね。


「よく飽きないわねー」


「飽きるって?」


「だってさ、付き合ってもう…半年以上でしょ? 落ち着いたっていい頃じゃない?」


落ち着く?

落ち着く……。


「……って、どういう意味?」


「いや…まあ、ラブラブなのもいいけどね」


「別にラブラブじゃないもん!」


「じゃああっつあつ」


そんな出来立ての焼き芋みたいな…。