「……あ"?」


…………キレられた。

悪いこと言った覚えはないのに、キレられた。


「せ……先輩?」


「あ"あ"?」


ぴっ。


…んな、なぜ…?


ぶっちゃけあたしはまだ、話すらしていない。

しようとしただけなのだ。


『翔くんのことなんだけど』としか言っていない。

どうしようって相談しようと思ったのに…。


「あのーせんぱ…」


「あ"?」


なっ……なんでそんなに全力で睨むの!!

その角度で流し目はとっても怖いです。


ドッドッドッと高鳴る胸を押さえ、そおっと顔を覗きこむ。


ここは先輩の部屋。

ママが由那の幼稚園に行っていて那智兄が珍しく講義に出てて誰もいないから、遊びに来たのだ。


そして…。


「もっぺん言ってみろや」


「え"……」


…そして……なぜかキレられている。