「…う、ん………」

頭だけを持ち上げ私は携帯から流れる音楽を止めた。

「…………眠い」

二度寝したいが今日は大学に行かなければならない。

まだ寝たい、と言う脳の言葉を冷たい麦茶を飲み込んで掻き消す。

「にゃあ」

「おはよう、リュウ」

飼い猫のリュウの頭を撫でて洗面所へ向かう。

リュウはとことこと私を追い掛ける。

ちなみにリュウはこの家に住んですぐに拾った。
子猫のリュウは迷子になったのか私の家の前でにゃーにゃー鳴いていた。

それ以来私の家族になったリュウ。

ちょうどペットがほしかった私はペット可の家に住んでたし。
リュウが来てよかったと思っている。


―ぴんぽーん


「七松さん!
ちょっと!七松さん!!」


ドアがガンガンと喧しい音をたてながら大家さんの声が響く。

リュウはびっくりしてソファーの下へ隠れた。

「七松さんっ!
ちょっと出ておいで!」

切羽詰まった大家さんの声に小走りで玄関へと急ぐ。

「どうしたんですか?」

ドアを開けると大家さんに腕を捕まれた。