「…気が…気が…狂う」

「ダメだよ…耐えて」

わざと弱いところを…

嗜虐的な兄

苛められてる

わざと?

僕が耐えるのを見て欲情してるの?

やめて…聞こえちゃうよ

ああ…また…貪られてる

「お願い…許して」

もう壊れる

兄は全く耳を貸さない

僕の声で更に嗜虐を重ねる

「壊しちゃいたい…お前」

「きついよ…これ以上」

あの日

解放されたのは

誤解とトラウマだけじゃない

兄の暴力性?

…嗜虐?

「あっ…ああ」

「まだ…許さないよ…まだ…まだ

終われない」

「んああっ…」

僕の口に枕元のタオルを咬ませる

「ん…んん…」

「これで少し楽になる」

僕の耳たぶを噛みながらなぶる

楽に…させないくせに

僕は兄のなすがままになる

こんなこといままでなかったのに

でも僕の中で

今までと違う性感が生まれ

膨張する

それがたまらない

悪魔の哄笑が聞こえる

こうやって此処に堕ちていくんだ

「辛くて飢えるんだ…これから」

僕は震えていた

飢えてる

なぜなんだろう

「まだ欲しい…お前を食べ足りない

もっと…ぐちゃぐちゃにしたい」

「んっんっ…んっ」

甘くて苦い

生暖かい黒い沼にはまる

「どうすればいい?…どうすれば

やめられる?」

そう言いながら激しさが増す愛撫

兄が我に返る…一瞬

「ダメだ…こんな…お前…壊れる」

ああ…壊される

「…俺のこと…止めて」

兄の言葉に僕ははっとした

兄を振りほどいて

ベッドの上にに起き上がった