あまりの疲労感と久しぶりの安堵で

僕の身体と心は

限界に達しかけていた

夕飯を食べ風呂からあがると

僕はベッドに倒れこんでいた

ひたすら眠りたくて時間も構わず

僕は布団に入りすぐに意識が落ちた




真夜中

誰かの気配でうっすらと目が覚めた

身体に手の感触がある

すぐに兄だとわかった…



兄貴…?



一瞬のうちに僕は意識を取り戻した

兄が僕に寄り添っている…!

僕は暗闇の中手探りで

兄の身体を求めた

兄の指が僕の指に絡まる

ああ…

僕は兄の胸に顔を埋めた

「ごめん…お前疲れてるのに」

兄は耳元で僕に囁いた

僕は…いいんだ…と言って

兄の指を握りしめた

互いに互いの痺れが

伝わるのがわかるほど

僕たちは重なり合っていた

兄が激しく僕を求めてくる

身体が熱い

兄の指が僕の身体を執拗に弄ぶ

「兄貴…どうしたの…」

僕はいつもと少し違う兄の愛撫に

少し戸惑いを感じた

兄は息を殺して囁いた

「ごめん…止まらない」

「いつもと…違うよ」

僕は喘ぎながら兄に問いかけた

「だめだ…狂いそうで」

「狂いそう…?」

「お前のおかげで…心が救われた

そうしたら身体が開いて…だめだ」

「あに…き…僕は」

「お前のせいじゃない…お前には

感謝してもし足りないよ」

「あっ…あっ…声が」

あまりの愛撫に僕が耐えられない

「俺は…狂ってる…お前のこと

おもちゃみたいに…こんなに」

ああ…なぶられてる

「兄貴…許して」

「もっと…したい…もっと…」

兄は違う壊れかたで僕を責めた

兄は止められなかった

今までの抑圧が解放された隙間から

噴出した熱い熔岩みたいに

僕を燃やし尽くそうとしてる



あの時の僕と同じだ

兄を貪った…あの夜

僕には兄を止める資格はない

暗い…狂気が…

僕にも感染りそうになる

僕は声をあげないよう枕を

噛み締めて耐えていた