…それは僕には

到底受け入れがたい…



そんな

こと




そこに

兄が

居た

正確には兄に

そっくりの男が



白いベッドに横たわって

やつれて

痩せこけて



それだけで僕には

誰を責めることも

もう無理だ

と思った

兄の内気な陰翳

端正な口元

優しい眼差し

母に似てると思っていた

兄の目は

それよりも

この男に似ていた



なぜ…?

僕は堪らず心の中で訊いた

なぜ…兄を苦しめたの?

血を分けて

こんな

兄に似た

優しい目をして




僕の目から涙があふれた

あいつは僕をじっと見た

そして少し驚いたような声で

僕に問いかけた

「君…もしかして…?」

「……」

僕は無言でうなずいた