僕も兄も母から溺愛されている

父はのんきでノーマルな普通の人だ

自動車の修理工で腕は抜群

アマチュアのカーレースのチームで

ピットを担当している

兄とは親子というよりは友達に似て

互いにとても気を遣い

神経質な母を気遣っているのが

僕の目からも良くわかる

兄は頭が良くてスポーツも得意だ

今は応用物理とかの専攻で

大学に通って研究室に出入りしてる

ずっと中・高と陸上部で

短距離の選手だった

無口なのであまり人付き合いがなく

友達もあまりいない

母は離婚と自分のした自殺未遂が

兄が内向的な原因だと思っている

兄は見た目にもそんな陰影があり

面長で憂いのある切れ長の目は

実は母にそっくりなのだが…

その罪悪感があるから母は兄に甘い



僕も見掛けは普通の男の子だ

父親似で身長も普通

(兄より小さい…これから伸びる)

頭もそれほど悪くもない

(兄には及ばない…頭打ち)

外見もだが父親の遺伝子が優勢で

職人っぽく手先が器用だ

音楽が好きなのでギターをやってる

車とエレキギターは似てるのかも



兄も僕も見掛けは一見普通だ

でも誰にも言えないことが

僕らの生活を支配している