失われた物語 −時の鍵− 《前編》【小説】





絞れるくらい汗が噴き出している

喉がカラカラだ

皆でミネラルウォーターを回し飲み

しばし荒く息をつき座りこんでいた

「今日という日こそワタクシ自分の

ウェイトを邪魔に思ったことアリマ

セン!」

いつも前向きな後輩の手のひらには

血豆が出来ていた!

確かに…

ドラムの練習で腕立て伏せを

欠かさないというハードな筋トレを

続けてなければ大変だったろうな

「明日からダイエットをスタートし

ますヨ…ナリフリ構ワズデス」

「うん…健康的にも良いよ」

先輩が女同志の共感をエールとして

送った

「ついでに先輩も絞ったら?」

ヤツが余計なことを言った

先輩から蹴りが入る

「このナイスバディのどこを削れば

お前の気が済むって?!」

おいといて…

「そろそろ行きましょうよ…日差し

が強すぎて…ここ」

僕も女の子みたいにUVしたいくらい

日陰なしの岩場の上は容赦なく

直射日光がキツい

「うん…もうすぐみたいだしね」

僕たちはまた歩き始めた