「来ちゃだめだ!」

「なんで!?」

僕はびっくりして兄の腕を掴んだ

「一体どうして?」

「もう…お前抱けないんだ」

その言葉に僕は呆然となった

「イヤだ…そんな…なんでだよ!

なんでそんなこと…」

兄は震える声で言った

「もうダメなんだ…俺は悪魔に鎖で

繋がれてる…俺は…もう戻れない

お前は俺とは違う!だから駄目だ」

兄は完全に錯乱していた

「う…う…」

完全な混乱

僕はこのまま兄の気が狂ってしまう

んじゃないかと怖さに怯えるほど

「悪魔って…なんなんだよ…僕は変

わらないよ!…兄貴が誰にけがされ

ようが…僕は何も変わらないよ!

兄貴だって…変わらないよ!」

「ダメなんだ…もう写真もビデオも

撮られた…言いなりになるしかない

…俺は親父の借金を返すまで毎日…

あそこで客をとらされる…もう他に

選択の余地なんかないんだ…」

ウ…ソだ

「…あ…あ…そん…な…」

息が苦しい…ウソだ…

ウソだと

お願いだからウソだと…言って

兄貴…?

意識が遠くなる…発作だ

ごめん

もう耐えられなくなっちゃった…

ごめんね…兄貴

僕は兄の膝にに倒れこむように意識

を失った