あの忌まわしい連絡が

再び入ったのは

四月も終わりに近い

暖かさを増した春の夜だった






やはりあの男は蛇のように執念深く

僕に悩みと苦しみを刻み

自己の怒りと恨みを晴らすことを

淡々と…微笑みながら

執行し続けるつもりなのだろう

反射的に起きる戦慄

それを払いのけるかのように

身体だけが狂躁し始める

苦痛を麻痺させるために

苦しみと快楽の同居する

分裂…葛藤…

そして恐怖

兄が心を癒されたことで

僕のこのことに対する気持ちも

少し楽になっているかと期待してた

だがこの脱力感と戦慄は

消えない






でも会うまでわからない

会うまでは

彼に会うまでは…

僕は過呼吸になりかけているのを

必死で抑えながら

呪文のように

そう自分に言い聞かせていた

兄はまだ…

それも…もういい

考えても仕方ない

僕たちは何処へ運ばれるかなど

一秒先だって知らないんだ

だから

だから

だか…ら





苦しい

連絡が来ないことを願っていた

考えたくもなかった

たった一度のメールに

圧し潰されそうになる

連絡はないかも知れないと

密かに期待してしまっていたから







明後日の日曜日に

僕はまた囚われの身となる