君にこの愛をあげる
誰にもわからないように
君に愛の言葉を告げる
君だけに届くように

君にこの心をあげる
深く傷ついている君に
僕を君に全部あげる
君だけを愛してる

ただ悲しみの時は流れ
閉じた獄の壁は厚く
僕と君はつかんだ指を
どのくらい固く結べばいい?

許されぬ罪があるからと
君は泣いた
僕は答える
愛という名の星の下に
それに敵うものなどはないと






僕はマジな気持ちになって

ヤツの顔をまじまじと見た

ヤツはいつの間にか

さっきのふざけた顔をやめていた

「吐き出したいんだ…自分の中に

溜め込んでたら…爆発しちまう」

「良い詞だ…わかる…これ」

ヤツはフッと笑った

「お前なら…わかるだろ」

僕も下を向いて笑った

「…短か過ぎるけどな」

ヤツは実務的なことを述べた

「オレの天才的な詩作センスでは

そこで完結してしまうのだ…」

そしてヤツはニッと不気味に笑った

「な…なん…なんだよ」

「あと2フレーズ…お前に任す」

ヤツは正面から両手で

僕の肩をつかんだ

「よろしく」

「お前…甘え過ぎる」

「えーっ?!ここまで上げ膳据え膳

なのにぃぃ~?」

「ごるあぁぁっ!」

いきなりあらぬ場所から叱責が

僕たちに飛んで来た

「す…すいません」

「新勧のミーティングしろよ!」

「あっ…そうでした」

新入生ゲットしなければ…

まあ先輩

黙ってても入部者は来るけど

「ブラバンと合唱部と邦楽同好会に

持ってかれるぞ」

「そうでした」

僕たちはミーティングの席に着いた