始業式があった

また僕の生活は学校に支配され

先の見えない人生は

一向に変わらないままだった

だけど僕の心はなぜか少し軽く

それは兄が癒されたことがすべて

だった

兄は大学院に行き始めた

あの部屋で…

あの男の呼び出しはまだない

兄は逢ってるのか

聞きたくないし聞けなかった

そして二年になりクラス変えがあり

なんの因果か僕とパンク野郎は

同じクラスになっていた





うわ…陰謀じゃね?

ヤツは笑いながら僕を肘で小突いた

きっとC組にパンクを蔓延させろと

いうパンクの神の差し金だな…!

僕は笑いながら答えた

お前…前よりマシになった?

ヤツの直感は今月も冴えている

分かるかぁ…笑ってるもんな

うん…お前笑えなかったもんな

お前はどうなんだ

僕は聞いてみた

ほぼ変わりなし…風通し少し良し

お前とクラス一緒になったからな

パンク野郎は珍しく殊勝な事を言い

僕に笑って見せた

僕はその殊勝なセリフに応え

こちらこそよろしくたのむ

と長い一年の始まりの挨拶とした






校舎から遅咲きの桜が見える

寒さの中でも屈託なく咲く花は

過酷な運命にも荒まない人を

思い出させるようだった

そして寒い年の桜は美しい

少し切なくなるくらいに