失われた物語 −時の鍵− 《前編》【小説】




全身に耐えがたい性感の痺れ

それが局部に集約していく

「あああっ!」

縛られて不自由な身体が

反り返るたびに縄が食い込んでいく

「皆さん…今日は忍耐強い」

「見ながらが…良いね…自分で

しながら…良いかな?」

「もちろん…最後にこの子の顔に」

「ああ…汚したいな」

「ああああああぁぁぁ!」

「もうすぐ狂いそうだ…こんなに

濡らして…たまらんだろう」

口々に僕を辱しめる言葉

でも誰も触らない

猥褻な視線が見つめるだけ

「はうっ…うっ…うあぁ!」

急に淫火が煽られて全身を焼く

あ…

だめ…

だめっ…もう…出る…

いやだ…こんなところで…

「あうっ…くはっ!」

だめ…もう耐えきれない

見ないで…いやだっ

だめ

だめっ




「あうううっっ!」

叫びと共に飛び散る飛沫

自分に降り注がれる淫欲の証

「おう…出る…ああ…」

誰かの喘ぐ声

そして欲望の噴出が

予告通り顔に掛けられる

部屋の中の猥褻な空気が深く澱む

更に濃く…更に陰猥に

「我慢できなかったのかな…?」

彼が冷たく囁く

僕は唇を噛む

こんな…こんなのって

酷…すぎる

「誰も触らないのに…こんなに

なったのかな?…淫乱な身体だ」

その言葉も終わらないうちに

第ニ波が身体を襲ってくる

「あ…あ…ああ…はあっ」

終わ…らな…い…の?

「だめ…こ…んな…」

彼がこらえきれずに笑う

「だめ?…どうして?君の身体は

こっちが本当だよ」

彼は笑っていた

「クス…リ…クスリのせい…だ」

「クスリ?君に飲ませたのはただの

安定剤だ…君は勝手に興奮しただけ

だ…」