それは長い長い夜だった

僕は初めて

兄ではない人間に抱かれた

彼はありとあらゆる責めを

知り尽くしていた

激しい責めに弄ばれ

僕の心は空白になり

魂はどこかに隠れた

僕は彼のされるがまま

彼の行為に耐えた

途中少しづつ薬が切れてきたけど

僕は抵抗しなかった

地獄?

快楽?

嗜虐?

凌辱…?

どれでもない

廃墟

そう

廃墟…




彼が悲しいから

僕も悲しかった

苦しい涙以上に

悲しくて泣いた

たぶん

彼のために




これからも僕はこうやって

彼から犯されるのだろうか

兄は知るんだろうか

僕のこの長い夜を…

できれば…知って欲しくないな

あに…のほう…がきずつ…く

ぼくよ…り…も




深く深く墜ちていくような感覚

終わりのない深い穴に




これも重ねていけば

少しは気持ち良くなるのかな…

せめて気持ち良くなりたい

(君を愛せれば良いのに)

僕もそう思うよ

でも僕には

あなたにあげられる闇がない

手持ちはカード一枚だけ

兄を愛してる