今日も地球の上では☆2

「風花」

ずっと黙って話を聞いていた純一郎さんが、口を開いた。



「お母さんは、不慮の事故で亡くなった。決して、風花を残したまま死を選んだ訳じゃない」

キッパリと純一郎さんが言い切った。



「なんでそんな事、分かるんですか? ブレーキを踏まなかった、って事は……」



続きの言葉が出てこない。

心の何処かで、『事故であって欲しい』と言う、最後の願いが崩れていきそうで……。



「ブレーキは“踏まなかった”んじゃなくて、“踏めなかった”んだよ」



……えっ?

思わず純一郎さんの方を向いたけど、抱き締められていたから間近に顔があって、恥ずかしくってすぐに顔をそむけた。



「どうしてそんな事を……慰めなら、いいです」

「そうじゃない、事実だよ。お母さんが、そう言っているんだから」

「……お母さん、が? 言ってる……って?」



私が言葉の意味を理解できずに、もう1度、純一郎さんの方を見ながら訊き返した。

すると、純一郎さんの視線が、私の後ろへ動いた。