「『知らない人には付いて行かないように』って母にいつも言われていたのに……
『お母さんと一緒に働いてるんだけど、お母さんが倒れて病院に居るから風花ちゃんを連れて来てくれって頼まれた』
って言われて、母の事が心配で車に乗ってしまって」
でも、着いた場所は病院じゃなかった。
「連れて行かれたのは、移転して取り壊しが決まっていた古い天文台でした。
そこは数ヶ月後に取り壊すだけだったので、誰も管理していなくて放置されていたんです」
話しながら、昔の記憶が少しずつ蘇って来て、体が強張ってくる。
すると。
肩を抱いていた手が離れて、代わりに頭を優しく撫でられた。
その手は『大丈夫、怖くないよ』と言っている気がして、心が少し落ち着いてくる。
「私が『おかしい』と思った時には、もう手遅れで……その建物の中に無理矢理入れられました。
そして、プラネタリウムの上映をしていたホールのイスに座らせられて、手足を縛られたんです」
思わずその時の感覚が蘇り、右手で左手首をギュッと掴んだ。
「怖くて何も言えない私に、『あの人』が言ったんです……
『大きくなったな、風花。お父さんだよ』って」
私を縛って身動きが取れなくして、笑顔でそう言う『あの人』は正気じゃなかった。
「最初はなんで『あの人』がそんな事を言うのか、分かりませんでした……
だって、私にはちゃんと大好きな優しいお父さんが居たから
……でも……」
今更、『あの人』の声が蘇って来た。
『お母さんと一緒に働いてるんだけど、お母さんが倒れて病院に居るから風花ちゃんを連れて来てくれって頼まれた』
って言われて、母の事が心配で車に乗ってしまって」
でも、着いた場所は病院じゃなかった。
「連れて行かれたのは、移転して取り壊しが決まっていた古い天文台でした。
そこは数ヶ月後に取り壊すだけだったので、誰も管理していなくて放置されていたんです」
話しながら、昔の記憶が少しずつ蘇って来て、体が強張ってくる。
すると。
肩を抱いていた手が離れて、代わりに頭を優しく撫でられた。
その手は『大丈夫、怖くないよ』と言っている気がして、心が少し落ち着いてくる。
「私が『おかしい』と思った時には、もう手遅れで……その建物の中に無理矢理入れられました。
そして、プラネタリウムの上映をしていたホールのイスに座らせられて、手足を縛られたんです」
思わずその時の感覚が蘇り、右手で左手首をギュッと掴んだ。
「怖くて何も言えない私に、『あの人』が言ったんです……
『大きくなったな、風花。お父さんだよ』って」
私を縛って身動きが取れなくして、笑顔でそう言う『あの人』は正気じゃなかった。
「最初はなんで『あの人』がそんな事を言うのか、分かりませんでした……
だって、私にはちゃんと大好きな優しいお父さんが居たから
……でも……」
今更、『あの人』の声が蘇って来た。

