「慌てなくていい」

「えっ?」

「時間はたっぷりあるんだから……まずは完食してから、ゆっくり話さないか?」



あっ、そうだ!

いつの間にか、2人共、手が止まっていた。



やっぱり、純さんは私の事なら、お見通し。

気持ちの整理をする時間をくれたんだ。



「はい」

私はそう返事をして、食べながら気持ちを落ち着かせる事にした。



私の生い立ち。

お母さんの事。

お父さんの事。

『あの人』の事。

そして……背中に残る『跡』の事。



誰かに話すのは、初めて。



純さん……話を聞いても、私の事、嫌いにならないでね?