【やっと会えた。……俺が君を救ってやるから、安心しろ】




『ドキッ』とした。

それは決して、『ときめいた』と言う意味では無い。



何故、この人には……私の胸のずっとずっと奥底にしまい込んだ、誰にも見せた事がない気持ちが、分かるの？



初対面でそんな事を言われたら、普通の人は気味悪がるかもしれないけど……その場で即採用が決まり、『救ってやる』の言葉が耳から離れず、私は戸惑いながらも入社した。



入社して３ヶ月位は、新しい環境や仕事に慣れるのに必死だった。

その間は、この人もみんなと同じように接していた。

変わったのは、みんなで慰安旅行に行った時の夜……宴会の席でお酒が入った後、急にみんなに宣言した。




『望月風花は俺の運命の相手だから、誰も手を出すんじゃないぞ！』