「お疲れ様。……ああ、大丈夫。……そうか、分かった」

電話は会社からみたいで、何か報告事項の連絡のようだった。



「あっ、急遽、午後からも行かなくちゃいけない所が出来たから、戻るのは夕方になると思う。何か急ぎの用件があったら携帯へ連絡してくれ……ああ、じゃぁ」

そう言って、純さんは携帯電話を切った。



えっ? 当初の予定では、後は会社に戻るだけなんだけど……。



「純さん? 午後から何処に行くんですか?」

私がそう訊くと、純さんはさっきと打って変わり、ニッコリと微笑んだ。



「車のキー、渡してくれる?」



どうしたんだろう?

純さんが運転すると言う事は、私の知らない場所に行くのかな?



私はポケットから鍵を取り出し、純さんに渡した。



「よし、行くぞ」

私の質問には答えず、純さんがそう言って駐車場の方へ歩き始めた。



なんだろう?

よく分からないけど、疑問に思いながらも、私は純さんについて行った。