こうやって大泣きする時、決まって駆けつけるヤツに顔がそっくりで。 ますます心の中で、煮え切らないイライラだけが募っていくのに…。 「尭…オマエ、のんをイジめんなよ」 ほらほら。リビングで話し込んでたクセに、ガキんちょの泣き声で駆けつけやがる。 柚希さんからバトンタッチして、ソイツをギュッと抱きしめながら言うから。 「…イジめてない。むしろ、教えてやったんだけど?」 「レディはもっと丁寧に扱え」 あやすように背中をポンポン叩きつつ髪をかき分ける人こそ、アホが大好きすぎる祐史さんだ。