女神には愛する者がありました。


 彼はまだほんの見習い。


 戦士になろうとしておりました。
 

 彼は人なつっこい微笑みで言いました。


「女神よ。私にあなたを守れ、とお命じください」


 女神が愛していたのはその心でした。


「私は女神の戦士として、闘いに赴きたいのです」


 ですから女神は涙を隠してこう言いました。


「去りなさい。次の闘いではあなたの出番はないでしょう。あなたの兄たちが多くの敵を退けて戦功を競うでしょう」