感覚が、 何もかも消えていく中で あたしはただただ悲しんだ。 「ねえ、真樋くん。」 身体が消えて、 首だけになって、 あたしは言った。 「好きだよ?」 そして、 もうひとつ、 「だから、」 そこで あたしの体は完全に消えた。 でも、 あたしはそんなことを気にしないで、 もうない口でこう言った。 『絶対に連れて行くから。』 そうして あたしの意識は完全になくなって、 暗い暗い闇色に塗り替えられた。