景色が変わる。 身体を切る風。 まるで生きていた頃に戻っているみたい。 包丁を握りなおして思う。 もう少しで、 あたしは生き返られる。 真樋くんに触れられる。 あの害虫を殺せる。 そう思うと、 身体が嬉しさにカクカクと震えた。 「ふふ、ふふふふふふ」 そうしてあたしは また笑う。