この声が枯れるまで


『太陽だ…今も。
迷った時に…道を照らしてくれている…太陽だ』

『百合さんに聞かせてあげたいな…パパの話…』

『百合は聞いてるよ。
いつも心の中に眠っているから…耳をすませてね…』


『百合さん…幸せモノだね、私もそうなりたいな…』


『俺もね…幸せ。百合と出会えて強くなった気がする。俺は…優柔不断でみんなを振り回した…
傷つけた…でも歩や沙紀がちゃんといてくれた…』


『パパ…私もパパのように強くなるかな?』


『当たり前だろ…パパの子供だから』


眠った世界に朝が訪れようとしていた。
窓にまぶしい光が射し込む。


『私…百合って名前で良かった…ねぇパパ?ママは…許したの?百合って名前付ける事に…』


『ママは…俺を受け止めてくれたから…』


『パパ…次はママとの恋の話を聞かせてよ』



『いいよ…長くなるけど聞いてな?』



『うん…』



パパはママとの出会いを話し始めた。


これから私は、
パパの過去へと世界を変える。