『百合が旅立ってしまう時、すごく悲しかった、でも応援すると決めたから見送ったんだ。
百合が最後にくれたプレゼントがあってね。
悲しいキスと、最高の言葉…』
『最高の…言葉?』
パパは私を見つめて、
小さく微笑む。
私はベッドシーツを握りしめて、パパの話に耳を傾ける。
『《私は優君を愛してる》っていう言葉。百合が最後に言った言葉だった。今でも覚えているよ。それで…百合が帰ってくる時…百合は帰って来なかった…百合は…百合は…違う世界にいってしまったんだ…』
『う…ん』
次第に目頭が熱くなってくる。
『俺は…世界を恨んだよ?最愛の人を亡くして…辛かった…でもあの秘密の場所へ来ると、百合を思い出すんだ。隣に百合がいるように…秘密の場所で百合に教えてもらった事がある。
《流れ星って、誰かの願いが叶う時に流れるんだって》そう百合に教えてもらった…』
『それで…パパは百合さんとの約束を守ったの?』
『そうだよ…百合との約束を叶える事が、恩返しだと思ってね。
百合は素敵な人だった。いつも輝いていた。
俺の太陽だった…』
『太陽…』


