『私、夢みてたのかな…私ね?百合さんに会ったの。真っ白な世界に、百合さんはいた。それでね?その世界には大好きなモノしか写らないんだって。
彼女の大好きなモノは…パパの笑顔だった…』
パパは黙ったまま、私の話を頷いて聞いてくれた。
『パパに会えて幸せだって…今もパパを愛してるって…パパに幸せになってほしいって…』
『百合…』
『パパは今も愛してる?』
『愛してるよ…でも…俺には妻がいて…百合がいて楓もいる…』
『ねぇパパ聞かせて?
パパはどんな恋をしてきたの?』
『…どこから話せばいいかな…俺と百合は、高校の時に出会った。1年2組で、真ん中の列の前から4番目の席。そして隣は百合だった。そこから恋は始まったんだ』
『私と一緒…』
『百合と付き合っている時は幸せだった。百合だけでいいと思ってた。
でも…俺が弱くてね…百合を不安にさせてしまった。俺達の恋は…遠回りした恋だった…でもホントの愛というモノを知れた気がする』
パパはゆっくり私に教えてくれた。
パパと百合さんの事を。


