「…どうして急に帰ったのか聞かないの?」
コーヒーの入ったマグカップ。
春樹の分には、ミルクが多めに入っている。
私のはミルクとお砂糖。
それに口をつけて、春樹は目だけで私を見た。
「…なんで鞄も放り出して先に帰ったんだ?」
…なんて答えたらいいの?
静司にキスされたから…って?
…言えない。
春樹には知られたくない。
黙っていると、春樹の大きな手が私の髪をくしゃくしゃに撫でた。
「なんだよー、聞けって言ったのはお前だろ」
「うん…ごめん」
「…言いたくなかったらいいよ」
…春樹は優しいね。
「静司と喧嘩した」と嘘をつくと、春樹は「そっか」と笑った。
コーヒーの入ったマグカップ。
春樹の分には、ミルクが多めに入っている。
私のはミルクとお砂糖。
それに口をつけて、春樹は目だけで私を見た。
「…なんで鞄も放り出して先に帰ったんだ?」
…なんて答えたらいいの?
静司にキスされたから…って?
…言えない。
春樹には知られたくない。
黙っていると、春樹の大きな手が私の髪をくしゃくしゃに撫でた。
「なんだよー、聞けって言ったのはお前だろ」
「うん…ごめん」
「…言いたくなかったらいいよ」
…春樹は優しいね。
「静司と喧嘩した」と嘘をつくと、春樹は「そっか」と笑った。

