感情を無くせ。

感情があるから

人の言うことでいちいち傷つく。


人と関わるな。

関わるから、

めんどうなことに巻き込まれる。


1人でいる、それが一番楽な道。

逃げてる。

傷つくことから、逃げてる。

自分が弱いから。




暗闇が好き。

誰もいないから。

誰かがいても、分からないから。


部屋の隅で、一粒の雫が暗闇の中で光った。





    ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆




屋上に行くと、またあいつがいた。


「吉田だ。」



「あんた、結構な奴だね。」


「え?」


この間、教室の前で、女の子を振るのを見た。

男はいつも身勝手。


「別に、好きじゃない人と
 付き合わなくてもいいんじゃない?」


「・・・。」



あの時、

女の子を見る目が氷のように冷たかった。


あいつみたいで、少し、怖かった。



「それ言うなら、吉田もだろ。」


冷たい目が私を捕らえる。


「聞いた。つい最近まで"明るくて、
笑顔の絶えない子"だったんだろ?」


「いつの話し?」


「何かあった?」


思い出したくないこと。


何ヶ月か前、あんな出来事がなかったら、私も普通の女の子でいれたのに。



「俺さ、C組の山口。」


急に自己紹介された。



「知ってる。」


「じゃあ、下の名前知ってる?」


「え・・・・。」



そう言えば、山口の下の名前呼んでる人見たことない。


山口の方を見て、首を横に振る。


山口の人差し指が、ゆっくり上を差す。