「心愛、わたし日直の日誌職員室まで届けてくるね。」


 「うん。」


日直の日誌を利香とふたりで片づけて、さぁ帰ろうって思ってた。


利香を待つ放課後の教室はシーンと静まり返る。


わたしの席は窓辺で、運動部が校庭で部活をする姿が目に入る。


机に肘をついてボ―――っと外を眺めていた。



わたしの視界が一瞬にして…



暗くなる。


 「もう、利香やめてよっ!!」


 「……」


 「利香?」

目を覆い隠す手に自分の手を重ねた。


その手は大きくて、ゴツゴツしていて……
どう考えても利香の手ではなかった……