電車を降りて、見た景色は3年前と何も変わってなかった。


 「ここで、心愛が生まれ育ったんだな。」


わたしがプレゼントしたマフラーで口元まで隠して、ニット帽を深々かぶって、カモフラージュのメガネはめて……

隣には晶羅がいる。


 「うん…そうだよ……」


故郷の空気は何故か懐かしい匂いがした。

とんぼ帰りのハードスケジュール。
今日しか休みがない晶羅を少しでも休ませたい!!

わたしは、実家には連絡を入れなかった。