体育館の裏まで引きずられた。
晶羅が心愛…心愛…って呼ぶ声がしたんだけど、会場に押し寄せる人の波にその声も消えて行った。
「心愛、会いたかったよ。」
冷静なその声はわたしに届いた。
「もう何も心配しなくていいんだよ。僕と帰ろう。」
必死に首を横に振った。
「利香もね…待ってるよ。利香今度結婚するんだ……びっくりだろう!!
出来ちゃった婚なんだぜ笑うだろう……相手は利香の親父の会社の超エリート」
何で、そんな冷静に話せるの??
「…… 」
「だから、帰ろう…… 」
そういうと伸樹の顔が近づいてきた。


