「俺の事知らないんだよね??」
「知らないって言ってるでしょう!!」
知らないわよ…あんたなんか……
真中さんなんだよね…。
でも認めたくなくて。
「一応、有名人なんだけどなぁ……」
「えっ?? 」
「その……テレビとかにも出てたり。」
「そうなの……わたし、ごめんなさい。」
この人が有名人??
「謝ることじゃないよ。 謝るのは俺の方だし」
「あっ…うん。」
「ここの学園の理事長って俺のお袋なんだ。」
「えっ嘘??」
何がどうなってるの??
たしか……理事長って真中理事長。
もう、頭おかしくなりそう。
「本当だよ。俺が言った些細な事で事が大きくなって今に至ってるわけで。」
「些細な事??」
「そう。俺が、静かに勉強したいなんて言ったから……」
「勉強出来ないの??」
「このままの俺ではまずムリ。神崎さんは知らないと思うけど俺トップアイドルなんかやってるわけよ…」
「え――――――!!」
部屋いっぱいにわたしの「え――――――!! 」が響く。
だって、ビックリなんだもん。
真中さんが男でトップアイドルで、理事長の子供で……
聞かされたこと全部がビックリなんだもん。
「だから、声が大きいってば。」
「ごめん。」
ビックリしすぎだよね……
ごめんね。


