~師走~


雪の舞い散る昼下がり。


修斗は、友達たちと外へと遊びに出ていた。

偶然、さくら園の前を通り、修斗は、ふと足を止める。

そして、
さくら園を見つめる。


「先に行ってて」

「え、おいっ修斗、何処に行くんだよ」

尋ねる仂哉(リキヤ)をヨソに、
修斗は、さくら園へと駆けていった。

そして、
さくら園の玄関に入り、園の中を覗き込む。



暫く、キョロキョロと玄関先から中を覗き込んでいると、園長先生が気付いて、修斗に声をかけた。


「あら、修斗くん。どうしたの?」


「え、あ…」


「ん?誰か探してるの?御用事かな?」


優しく尋ねる園長先生の様子に、修斗は、素直に言った。


「あの子は?」


「ん?あの子?」


「うん。あの子」


修斗は、一度目は笑顔で元気良く、二度目は、一瞬ハニカミを見せたが、恥ずかしさに、思わずぶっきらぼうに尋ねた。


そして、
素直な眼差しで園長先生を見つめ、返事を待っている。