それが何時からだったか、今では思い出せない。 重苦しい空気を取り払うかのように、流行りの軽快な着メロが流れた。 「はぁい」 『アリスー?今日もいつものクラブね』 「オッケー。準備したら行くね」 『ん~。じゃあ、後で~』 「はいはーい」 返事をしてケータイをベッドに投げて、制服を脱ぐ。 黒のミニワンピに赤のレザーを羽織って、玄関に雑に脱ぎ捨てられたショートブーツを履いた。 向かうのは、夜の溜まり場のクラブ。