彼に触れようと思えば触れられるチャンス。 けれどそれができないのはあたしが弱いからだけじゃない。 セコイ事はしたくない、という強い気持ちがあたしの中にちゃんとあるからだ。 勝負をするなら正面同士。 後ろから、なんてマネはしないのがあたしのポリシー。 「誠くん…」 3度目。 あたしはしっかりと彼の名前を口にした。 ねぇ。 起きて。 それであたしの話を訊いてほしいんだ。