言いたいことはそれじゃない。 もっとちゃんと、ここに言いたいことが残っていた。 勇気を振り絞り、大きく息を吸って。 「デートする…っ!!!」 〝してください〟なんてお願いじゃない。 〝する〟命令だ。 5000円も払ってるんだから、それくらいしてほしい。 けれど誠くんは小さく首を振る。 そうくることは分かっていた。 デートという欄に個人はない。 分かっていたけど、今あたしは簡単に引き下がれるような想いを抱いているわけじゃない。