見るだけでいいと思ってあたしは1組へと向かったことがある。 けれど結局チラっと見るだけですぐ帰ってしまうことしかできなかった。 お金を払えば誠くんの傍に行ける。 だけど。 だけど…。 「奈々ちゃん?」 あたしは店長の声によって、ハっと現実に戻される。 心配そうな顔をした店長さんがあたしの顔を覗き込んでいた。