-出発の時 梓・夕side-




キィィーン・・・


もう空近くからは

飛行機の飛び立つ音が聞こえる。


夕は何もしゃべらなくて

私も何もしゃべらない。


でもタクシーの中で

2人は手を握っていた。




まるで

離さないとでも言うように。





空港の中は

旅行に行く家族連れや

ハワイに行くのか、

花のシャツを着ている若い男性陣。




その中で

1番悲しいのは多分私と夕。





社長は荷物を置きに

行ってしまった。