-フラッシュ 夕side-




あの後も梓は

はしゃぎっぱなしで

俺は手に負えなかった。


『ピーンポーンパーンポーン』


そしてカメを見ていると

アナウンスのチャイムが鳴った。


『只今から、イルカのクーによる

 ショーを開催いたします。

 繰り返します。

 只今から、イルカのクー・・・』



そのアナウンスを聞いていた俺は

梓に耳打ちした。


「今からイルカショーだって。」


それを聞いた梓は

また目を輝かせて


「見たい!見たい見たい~!」


とピョンピョン跳ねる。

子犬みたいだな・・・と

心の中で笑う。


「じゃ、行こうか?」

「うん!」



梓は嬉しそうに

俺の手を握った。