「何って…珍しくおだんごだしぃ……メイクしてないよね?」


「あ…してない!!! 忘れてた!!」


 潤君のお弁当のことでいっぱいで忘れてた…。



「メイクポーチはぁ?」

「忘れてきたぁ…」



 ヤバい……こんなんじゃお弁当渡せないよ…。


「でもさぁ、柴乃…スッピンでもいいんじゃないかな?」

「え? ひどい…。」

「そういう意味じゃなくてェ…その方が可愛いよっ!!」



 え?



 ……可愛い?


「メイクしてても可愛いんだけど…しない方が白い肌がハッキリわかるからぁ」

「へー、可愛いかはしらないけど…これでいいか…。」


 花に押されてメイクはなしで。


「髪は?」

「髪の毛はぁ…もう少し丁寧にすればいいよ」


 というわけで花にやってもらった。


 クラスからこそこそ声が聞こえる。


 みんなキモいって思ってるんだ。


「やっぱいいよ。 似合わないし…」

「何いってんのぉ? めっちゃ似合ってるよっ?」

「そうかな…」


 うぅ…視線が痛い。