「ただいま」

そう言った瞬間にすさまじい足音が聞こえる

「おかえり~」

そう言いながら抱擁という名の突進を食らう。

「空、痛い」

「おかえり~」

聞いてないな。

「お兄ちゃん。お帰り」

リビングの扉から顔だけ出して風が挨拶をしてくる。

「おぅ。」

風に返事をしながらも、離れてくれない空を抱えてリビングに入る。

「空。ちょっと待ってて。牛乳しまったりしてくるから」

空をおろして声をかける。

が…

「いやぁ~。空も行くぅ!」

と…

「キッチンはすぐそこなんだが?」

目と鼻の先…

いやマジで。

「でも行くの!」

「じゃあ空が置いてきてくれよ」

「お兄ちゃんと一緒がいいの!」

何とも我儘な奴だ。